現代社会における脳科学研究の現状と課題

脳科学研究の主な現状

脳は人間を司る器官であり、しかしその全容は未だに解明されていません。
全容どころか、まだまだ科学では解明できないことが多々あり、同時に多くの医師や研究者が、その解明に躍起になっていることも確かです。

人は“心”を持っていますが、これも当然脳が関係しています。
関係という言葉以上の影響力を持ってはいるのですが、それもまだまだ解明されていないのが現状です。

もちろん、電気信号や脳内物質などの影響により心にどのような影響が現れるのかといった研究が進められる中で、鬱や精神疾患などの診療で成果を出してきている現状もあります。
わからないことだらけの脳科学研究において、少しずつその成果が出てきていると言えるでしょう。

こうしたことから、これまで脳は興味の対象や、外傷や病気などにより実際に脳に障害がある状態を治療するためのアプローチが主流だった状況から、心や精神の問題、特に日本においては高齢化社会を迎えるとあって、認知症やアルツハイマー病などの治療や予防に関するアプローチに対しての脳科学及びその研究の重要性が高まってきつつあります。

このような理解が脳科学研究の発展に寄与することは間違いなく、その研究等が今後急速に進むことも期待できるでしょう。

これまでの脳科学研究の主な成果

脳科学研究は、近代に入り、その解明の速度を上げてきています。

神経細胞の構造や、それにどのような機能が備わっているのか、また、神経回路の機能などに関しての研究も進められ、確かにその成果が現れてきています。

と同時に、そうした神経細胞の発生や発達についても徐々に解明されてきており、特定のシグナルによって細胞が増えたり維持されたりすることもわかってきているところです。

人間には五感が備わっていますが、それと脳の関係についても解明されつつあります。
“見る”ということと脳の繋がりや関係性など、人間が当たり前のように行っている行動が、脳内でどのように認識され処理されていくのかも、少しずつではありますが研究の成果が出てきており、医療にも応用されてきているのです。

その他、“なぜ人は眠るのか”についてや、ストレスに関する研究、食べることや人々の性格など、脳と関係するこうした機能や特性などに関する研究も進んでいます。

特に俗に言う体内時計に代表される生体リズムに関する研究では日本が世界をリードしている現状もあり、確かな成果が積み上げられてきていると言ってもいいでしょう。

今後の脳科学研究推進に向けた課題

上記でも触れたように、脳科学研究の分野において、日本が世界をリードしている面は多々あり、脳の解明に大きく貢献している現状があります。
にもかかわらず、理解やサポートといった点においては世界に遅れをとっていることも、重要な側面として捉えておく必要があるでしょう。

まずは、お金の面で課題があります。
国がさらに積極的に助成をする必要があります。
同時に、基礎研究への理解を国全体が深めなければいけません。

また、大学や研究所同士の横のつながりをさらに強固なものとし強力なネットワークを構築しなければ、日本の脳科学研究はこれ以上成果を出せなくなるでしょう。

アメリカをはじめとした欧米諸国、あるいは中国などがこうした研究に大金を投じ、国を挙げて研究体制を整えている中で、少々取り残されている感のある日本ですが、この意識を変えられるかどうかが今後の脳科学研究推進に向けた大きな課題となることは間違いありません。