あなたは知っていますか?脳の奇病【まとめ】

映画「エクソシスト」のモデルとなった脳の奇病 『抗NMDA受容体抗体脳炎』


画像引用元:映画『彼女が目覚めるその日まで』より┃https://eiga.com/movie/86618/special/

現代では徐々にその原因や仕組みが解明されてきてはいますが、かつては奇病とされ、特に悪魔が取り憑いているとされていた病気があります。
『抗NMDA受容体抗体脳炎』もその一つでしょう。

これは脳炎の一つであり、脳の特定の受容体に自己抗体ができることで起こる疾患です。
現在では有効な治療法も見つかっているため、正しい治療を受ければしっかりと回復する病気となっています。
それでも、この病気に罹患した患者の5%前後が死亡しており、15%ほどの患者が障害を残すとも言われているので、注意深く診療を行う必要があります。

非常に珍しい病気ではあるものの、日本でも1年で1,000人ほどが発症していると言われています。
発症者の多くは女性であることも、この病気の大きな特徴でしょう。
実に9割ほどが女性であるというデータもあるほどです。

映画「エクソシスト」のモデルになったとも言われており、それに登場する人物の症状を見れば、この病気にきっと恐怖感を覚えることでしょう。
ただ、すべての人があのような行動を取るとは限りません。
最近ではこの病気の理解も進んできているため、以前よりも早期に発見できる状況も整ってきています。

自分の意思と関係なく手や足が動く脳の奇病 『エイリアンハンド症候群』

直接的に手や足などを怪我したわけではなく、しかし体の自由が利かない状態になった時には、脳に何らかの異常があると考えるべきです。

『エイリアンハンド症候群』と呼ばれる病気がありますが、これはまさに体の自由が利かなくなる奇病です。
またの名を“他人の手症候群”とも言い、自分の手の動きが自分の意思と一致しない症状を伴う点に特徴があります。

病名も非常におどろおどろしいものですが、実際に原因や治療法は研究段階にあり、具体的なそれらは見つかっていません。
そのため、このような病名にせざるを得なかったのでしょう。

前頭葉や脳梁などに何らかの損傷があるため、手が自らの意思とは関係のない動きをしてしまったり、あるいは動かそうと思っても全く動かなかったりという症状が出ると考えられていますが、これもまだ明確なことはわかっていないのです。

病気自体は100年以上前には確認されているものの、何しろ症例数が少ないため、これが原因究明や治療法の確立を難しくしていると言われています。
直ちに命を落とすような病気ではありませんが、日常生活には大きな影響があり、罹患者は精神的な不安も抱えながら生活を送ることになるでしょう。

薬によって症状を一定抑えることができるとされているとは言え、根本的な治療ではなく、一時的な処置にすぎません。
患者のためにも、早期に解明する必要があります。

治療法無し、余命は2年以内 『致死性家族性不眠症』

中枢神経、つまり脳の神経に異常が発生することで、幻覚を見たり眠れなくなったり、あるいは自分の意思とは無関係に体が動くなどし、やがては死に至る病気が『致死性家族性不眠症』です。

“家族性”であることが、この病気の最大の特徴です。
つまり、特定の家計に現れやすい病気であり、遺伝性があるとも言われています。

日本でこの病気を罹患するケースはほとんどありませんが、しかし一部の家系には見られると報告されています。
発症は40代から50代で、家系こそ関係しているものの、男性と女性に差異はありません。

『致死性家族性不眠症』の最も怖い点は、治療法がないことです。
発症すれば間違いなく死に至り、意識がなくなるまではおよそ1年、長くても2年以内には死亡してしまいます。
薬物による治療や症状の軽減に関する研究は進んでいますが、症例数が少ないことと、特定の家系に現れる特異な疾患であるため、研究や臨床試験等が行われるスピードが遅いという現状もあります。

脳の病気がどれほど恐ろしく、また、脳という器官がどれだけ複雑なのかを象徴するような病気と言えるのかもしれません。